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  16S     元素名
name
硫黄
Sulfur
原子量
Atomic Weight
32.066 安定同位体
Stable Isotope
 有 
 
族番号
Group
16 元素群
Category
カルコゲン
Chalcogen
金属性
Metallicity
非金属
Non-Metal
 
融点(℃)
Melting Point
112.8 沸点(℃)
Boiling Point
444.6 常温常圧での状態
State
固体
solid
 
密度(g/cm3)
Density
2.07 比熱(cal/mol℃)
Specific Heat
0.175 発見年
Discovery
Ancient
 
電子配置
Electron Configuration
Ne 3s2 3p4 原子半径(Å)
Atomic Radius
1.02
 
イオン化エネルギー(eV)
Ionization Potential
10.36 電子親和力(eV)
Electron Affinity
2.0772
 
結晶構造
Crystal Structure
orthrhombic 備考
note
単体:斜方,単斜(d/mp/bp:
1.96/119/444.6),無定形(d:1.92)





素族に属する元素で、天然には遊離した状態で自然イオウとして産し 、また化合物としては硫化水素H2S、二酸化イオウSO2として、さらに硫化物、硫酸塩などとして広く存在する。 また生物体内中でも有機化合物の成分として含まれる。
  工業的にイオウを採取するのには、天然イオウを加熱し、イオウだけを抽出固化する。 地下イオウに過熱蒸気を送り、溶解し地上に押し上げて固化する。 また、石炭低温乾留ガス中の硫化水素、製油所からの廃ガス中の硫化水素、 あるいは天然ガス中の硫化水素などから回収された硫化水素を原料として、その約1/3を燃焼して亜硫酸ガスに転化、 残余のものと混合し反応させてイオウを得る方法がアメリカでは行われている。
  我が国では原油精製時の回収イオウで、イオウ鉱山は閉山し今日ではほとんど生産されていない。
  工業的製品を精製するのには、室温で二硫化炭素に溶かし、これを氷冷して再結晶するか、固体をそのまま昇華させる。
  同素体の数がきわめて多く、その関係は複雑であるが、 主要なものとしては固体では斜方晶系イオウ(αイオウ)Sα,単斜晶系イオウ(βイオウ)Sβの2種、液体では黄色流動性の(λイオウ)Sλおよび濃褐色粘稠の(μイオン)Sμの2種がある。また気体では、固体のときの骨格である王冠状のS8分子およびそれらが分割されたS6、S4、S2などの分子が温度によってその割合を変えながら共存している。
  そのほか単斜晶系のγイオウ、δイオウがある。また各種の無定形イオウも知られている。 イオウは電気の不導体で摩擦すれば帯電する。 化学的には酸素と同じく負2価元素として金属と反応し、硫化物をつくりやすいが、 そのはか正4価、正6価の元素としての化合物を多くつくる。 空気中で熱すれば青い炎をあげて燃えて二酸化イオウを生ずる。
  また細粉状のものは湿気を含む空気中では常温で酸化され、 金、白金などを除くほとんどすべての金属と直接化合する。 また非金属でもヨウ素、窒素、テルル以外とはほとんどすべて直接反応する。
  硫酸、二硫化炭素などの製造、火薬、マッチ、染料、医薬品などの原料として用いられ、 またゴムの加硫、殺菌、パルプ製造などにも用いられる。

(株)高純度化学研究所総合カタログより引用